レスポンス形式の設定
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RESTful API のリクエストを処理するとき、アプリケーションは、通常、レスポンス形式の設定に関して次のステップを踏みます。
When handling a RESTful API request, an application usually takes the following steps that are related
with response formatting:

1. レスポンス形式に影響するさまざまな要因、例えば、メディアタイプ、言語、バージョンなどを決定します。
   このプロセスは [コンテントネゴシエーション](http://en.wikipedia.org/wiki/Content_negotiation) としても知られるものです。
2. リソースオブジェクトを配列に変換します。
   [リソース](rest-resources.md) の節で説明したように、この作業は [[yii\rest\Serializer]] によって実行されます。
3. 配列をコンテントネゴシエーションのステップで決定された形式の文字列に変換します。
   この作業は、[[yii\web\Response::formatters|response]] アプリケーションコンポーネントに登録された [[yii\web\ResponseFormatterInterface|レスポンスフォーマッタ]] によって実行されます。


## コンテントネゴシエーション <span id="content-negotiation"></span>

Yii は [[yii\filters\ContentNegotiator]] フィルタによってコンテントネゴシエーションをサポートします。
RESTful API の基底コントローラクラス [[yii\rest\Controller]] は `contentNegotiator` という名前でこのフィルタを持っています。
このフィルタは、レスポンス形式のネゴシエーションと同時に言語のネゴシエーションも提供します。
例えば、RESTful API リクエストが下記のヘッダを含んでいるとします。

```
Accept: application/json; q=1.0, */*; q=0.1
```

この場合、リクエストは JSON 形式のレスポンスを受け取ることになります。例えば、次のような具合です。

```
$ curl -i -H "Accept: application/json; q=1.0, */*; q=0.1" "http://localhost/users"

HTTP/1.1 200 OK
Date: Sun, 02 Mar 2014 05:31:43 GMT
Server: Apache/2.2.26 (Unix) DAV/2 PHP/5.4.20 mod_ssl/2.2.26 OpenSSL/0.9.8y
X-Powered-By: PHP/5.4.20
X-Pagination-Total-Count: 1000
X-Pagination-Page-Count: 50
X-Pagination-Current-Page: 1
X-Pagination-Per-Page: 20
Link: <http://localhost/users?page=1>; rel=self,
      <http://localhost/users?page=2>; rel=next,
      <http://localhost/users?page=50>; rel=last
Transfer-Encoding: chunked
Content-Type: application/json; charset=UTF-8

[
    {
        "id": 1,
        ...
    },
    {
        "id": 2,
        ...
    },
    ...
]
```

舞台裏では、RESTful API コントローラアクションが実行される前に、[[yii\filters\ContentNegotiator]] フィルタがリクエストの `Accept` HTTP ヘッダをチェックして、[[yii\web\Response::format|レスポンス形式]] を `'json'` に設定します。
アクションが実行されて、その結果のリソースのオブジェクトまたはコレクションが返されると、[[yii\rest\Serializer]] が結果を配列に変換します。
そして最後に、[[yii\web\JsonResponseFormatter]] が配列を JSON 文字列に変換して、それをレスポンスボディに入れます。

デフォルトでは、RESTful API は JSON と XML の両方の形式をサポートします。
新しい形式をサポートするためには、下記のように、API コントローラクラスの中で `contentNegotiator` フィルタの [[yii\filters\ContentNegotiator::formats|formats]] プロパティを構成しなければなりません。

```php
use yii\web\Response;

public function behaviors()
{
    $behaviors = parent::behaviors();
    $behaviors['contentNegotiator']['formats']['text/html'] = Response::FORMAT_HTML;
    return $behaviors;
}
```

`formats` プロパティのキーはサポートされる MIME タイプであり、値は対応するレスポンス形式名です。
このレスポンス形式名は、[[yii\web\Response::formatters]] の中でサポートされているものでなければなりません。


## データのシリアライズ <span id="data-serializing"></span>

上記で説明したように、[[yii\rest\Serializer]] が、リソースのオブジェクトやコレクションを配列に変換する際に、中心的な役割を果たします。
`Serializer` は、[[yii\base\ArrayableInterface]] および [[yii\data\DataProviderInterface]] のインタフェイスを実装したオブジェクトを認識します。
前者は主としてリソースオブジェクトによって実装され、後者はリソースコレクションによって実装されています。

[[yii\rest\Controller::serializer]] プロパティに構成情報配列をセットしてシリアライザを構成することが出来ます。
例えば、場合によっては、クライアントの開発作業を単純化するために、ページネーション情報をレスポンスボディに直接に含ませたいことがあるでしょう。
そうするためには、[[yii\rest\Serializer::collectionEnvelope]] プロパティを次のように構成します。

```php
use yii\rest\ActiveController;

class UserController extends ActiveController
{
    public $modelClass = 'app\models\User';
    public $serializer = [
        'class' => 'yii\rest\Serializer',
        'collectionEnvelope' => 'items',
    ];
}
```

このようにすると、`http://localhost/users` というリクエストに対して、次のレスポンスを得ることが出来ます。

```
HTTP/1.1 200 OK
Date: Sun, 02 Mar 2014 05:31:43 GMT
Server: Apache/2.2.26 (Unix) DAV/2 PHP/5.4.20 mod_ssl/2.2.26 OpenSSL/0.9.8y
X-Powered-By: PHP/5.4.20
X-Pagination-Total-Count: 1000
X-Pagination-Page-Count: 50
X-Pagination-Current-Page: 1
X-Pagination-Per-Page: 20
Link: <http://localhost/users?page=1>; rel=self,
      <http://localhost/users?page=2>; rel=next,
      <http://localhost/users?page=50>; rel=last
Transfer-Encoding: chunked
Content-Type: application/json; charset=UTF-8

{
    "items": [
        {
            "id": 1,
            ...
        },
        {
            "id": 2,
            ...
        },
        ...
    ],
    "_links": {
        "self": "http://localhost/users?page=1",
        "next": "http://localhost/users?page=2",
        "last": "http://localhost/users?page=50"
    },
    "_meta": {
        "totalCount": 1000,
        "pageCount": 50,
        "currentPage": 1,
        "perPage": 20
    }
}
```